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「自分を大切にしよう」と言われても難しい

執筆者の写真: kumada riekumada rie
暑中お見舞い申し上げます

先日ご依頼をいただいて、生きづらさを抱える若者向けのサポートをしている団体様にお伺いして、当事者の方向けに「境界線」の話をさせて頂いてきました。


いま、生きづらさをを抱えている最中の人たちは、境界線をなくさせられてきた、または自分の身を守るために自分から境界線を消してきた人たちが多いです。私たちは自分たちの境界線を大切にしていい、自分のことを大切にしていい、という話をさせて頂いています。


私は若者とは程遠い年齢ですが、経験してきた生きづらさ、悲しみや苦しみについては、環境や背景は違えど、何かしら共通するものがあるのではないか…そんな思いでお話させていただきました。


境界線の話を聞いたからと言ってすぐ何かしら意識できるかというと、難しいかもしれません(私は今も練習中です)。「自分を大切にしていい」と言われても、難しいかもしれません。「自分を大切に」と言われても、私は「そんなことできない」と思っていました。だって、大切にされたことがなかったり、大切にしてくれる人がいなかったのだから、突然そんなことを言われても大切にする仕方を知らんわ、と思ってました。腹が立つし、怒りたくなったし、昔の私は怒っていました。腹が立って当然なことだったとも思っています。その外に向いた怒りと付き合ったり、ケアするのも難しいところではあるのですが。私の場合は、怒っても怒っても世界が何も変わらないどころが、むしろ私から人が離れたり、余計に傷ついたり、そういうことがあって、「何も変わらない」を痛感して、少しずつ自分の内側に目が向いていったように思います。このプロセスは人によって全く異なると思うし、難しいと思うのですが。一時期は、健全に怒りを表現していく時期も必要だと思っています。


その上で、私は「自分を大切にしてほしい」と伝えます。難しいのは分かっていますが。


上から目線で「自分を大切にして」と言われてもあまり響かないような気がしますが、「あなたのことを本気で思っているから」と対等な距離感から発せられる言葉は、支援者からであっても、当事者同士であっても、通じる気がしています。全く通じないこともあるけれど、それはそれで、タイミングなのだとも思っています。


今回、本当に素晴らしいご縁、出会いがあってかなった機会でした。改めて、心からの御礼を申し上げます。本当に、ありがとうございました。






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