自助グループの何がいいの?
- kumada rie
- 2024年8月20日
- 読了時間: 4分
8/17(土)はACOA大阪でした!今回もご参加下さり、本当にありがとうございます。改めて、自助グループの良さを感じた時間となりました。
自助グループは国もその効果を認め、全国的に設置が進むようになっています。とはいえ、まだ何なのかよく分からない人も多いと思います。
自助グループ(じじょぐるーぷ)
/ セルフヘルプグループ / 自助団体 /
同じ問題をかかえる人たちが集まり、相互理解や支援をし合うグループ。
交通被害者やアルコールや薬物などの依存症のひとたち、犯罪被害者など同じ問題をかかえる人たちが自発的に集まり、問題を分かち合い理解し、問題を乗り越えるために支えあうのが目的のグループです。
同じ問題をかかえているひたたちが対等な立場で話ができるため、参加者は孤立感を軽減されたり、安心して感情を吐露して気持ちを整理したり、グループの人が回復していくのをみて希望を持つことができたりと様々な効果が期待できます。
このほか、私が思う自助グループの効果として「本音で話せること」が大きいと思っています。
私たちが感じている生きづらさは、「こんなこと誰にも言えない」「言っても分かってもらえない」と思うことが多く、孤独を感じている人が多くいます。「こんなことを感じる自分はおかしい」「生まれつき自分は価値がないんだ」とシェイムがその孤立感を増悪させていることも多いです。そして、「こんな自分では何もできない、どうしようもない」と無力感を感じている人も多いです。これらは、トラウマに共通する感情です。
自助グループでは、「絶対こんなこと誰にも言えない」と思っていたことを話せたりします。もちろん言う・言わないはその方の自由ですし、強制は一切ありません。ただ、他の人が真摯に自分に向き合っている様子を見ているうちに、自分もなんとなく話してみようと思えたり、ずっと一人で抱えていたこころの中のモヤモヤを吐露していく方もおられます。
私もそうでした。毎日繰り返すひどい過食嘔吐をやめたいと思ってもやめられなくて、でも心の中では「食べ物がもったいない、みっともない、恥ずかしい、情けない、食べ吐きなんて最低、誰にも絶対に言えない、体にも悪い」と自分を責め続けていました。当時心療内科に行ったり、電話相談もしてみましたが、まだ理解がなかったのか、「体に良くないからやめた方がいい」「ご家族がそんなことを知ったらどう思うと思う?」などと言われて、余計に過食嘔吐がひどくなったりしたこともありました。「そんなこと他人から言われなくても、自分が一番分かっていることなのに。それでもやめられなくて苦しいから相談するのに、なんで余計に傷付けるんだろう・・・」と思ったりしました。
初めて行った自助グループで他の人の食べ吐きの話を聞いて「私だけじゃないんだ」と目から鱗が落ちる思いで、ほっとして肩の荷が降りた気がしました。過食嘔吐を言葉にして語ったり、時には笑いも生まれたりする雰囲気に、本当に驚きました。「自分だけが苦しいんじゃない、みんな色々抱えながら一生懸命に生きている、背景が違っても抱えている苦しさは一緒なんだ」。そう思えると、本当に心が軽くなりました。
自助グループに通ったことで、私は過食嘔吐を「目を背けたい敵」ではなく「サバイバルのために共存する相棒」のように思うことができていきました。すごく難しかった「自分を認める」ことが、自助グループの力を借りたことで、できるようになっていきました。そこから、少しずつ回復が進みました。
私を救ったのは、自助グループの中での仲間とのつながりでした。そのつながりがあって、孤立感が解消され、シェイムも軽減され、無力感は自己効力感にかわっていきました。
これは、専門職との関係性だけでは得られない対等な関係性の中で生まれた癒しだったと感じています。
生活の中で属する、学校、職場、地域などのコミュニティでは、必ずしも本音を言うことがプラスにならなかったりします。自分の弱みを見せることがマイナスに働いてしまうこともあるかもしれません。本音を話し合える友人などがいればいいですが、皆がそんなつながりを持てるわけでもないと思います。そのうちに、鎧をガチガチに固めて、どこに本当の自分がいるのか分からなくなり、本音を言えなくなって息苦しくなることもあると思います。
そんな時に、自助グループという場を使ってもらえたらと思っています。家族でも、友達でも、同僚でも、ご近所でも、なんでもない関係性でありながらも「生きづらさ」という共通点があるから話せることもあるかもしれません。自助グループは基本的なルールとして「言いっぱなし、聞きっぱなし」にしているので、発言に対する同意のないアドバイスやコメント、批判などは禁止ですし、秘密厳守です。安心安全の場をつくることを、心がけています。
生きていく中での、一つの選択肢になればいいなと思いながら、これからも活動を続けます。次回ACOA大阪は9/21(土)です😊💕
Comentários