

“たいしたことない”気持ちこそ手当てを ― 日常にできる感情のケア
日本の精神保健は、「つらくなったら病院へ」という治療中心の仕組みになっています。診断がつくほどつらくなったときに、医療や心理支援につながる。これはとても大切な支援で、救われる人がたくさんいます。 ただ、この仕組みだと「治療」か「我慢」かの二択になりがちで、そのあいだの日常のケアが、まだ文化として根づいていません。 つまり「病院に行くほどではない」と思っている人たちが、実は大きな苦しさの“手前”で踏ん張っていることが多いのです。 この「中間領域」はとても人数が多いのに、支援も、手段も、文化もほとんどありません。なぜなら私たちは、生きてきた中で 感情の手当てを習う機会がなかった からです。 ■ 身体は予防が当たり前。心は…? 身体の健康には、予防がしっかり根づいています。虫歯予防の歯磨き、感染予防の手洗い、生活習慣病予防の運動や食事…。 けれど心の健康には「予防」という言葉すら、ほとんどありません。 つらくなったら病院へ 耐えられるならがんばる 我慢できるうちは放置 そんな図式が普通になっています。 でも、感情も放置すれば「虫歯」のようにこじれる。小
kumada rie
11月2日