11/25に池田市で「熊田さんと考える~暴力ってなんだろう」というテーマでお話させていただきました。暴力の構造やトラウマケアについて考える機会として、多くの方にご参加いただき、本当にありがとうございました。月曜日の午前中というお忙しい時間帯にもかかわらず、足を運んでくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
講演では、私自身の暴力の体験談を交えながら、暴力の構造や種類、トラウマケアについてお話しました。特にDV(ドメスティック・バイオレンス)については、「家庭内での暴力」というイメージだけにとどまらない、権力や支配の関係があることをお伝えしました。ただ暴力を防げばいい、暴力をふるう人からふるわれている人を引き離せばいい、という単純な話ではなく、根深い問題であることを感じていただけたらと思っています。
トラウマケアについては、具体的にどのようなものか分かりづらい方も多いかと思いますので、他者が介入するケアと、自分自身で行うセルフケアの両方があることをご紹介しました。トラウマと共に生きるためには、どちらのケアも重要な役割を果たします。
正直なところ、私の暴力の体験談については、毎回「この話で本当に良かったのだろうか」「お役に立つことができただろうか」と思ってしまいます。それは、トラウマの特徴の一つである「矮小化(わいしょうか)」が、今でも私の中で働くからもしれません。矮小化とは、「こんなことくらいで傷つくなんて」「私よりつらい人がもっとたくさんいるのに」と、自分の被害を過小評価しする心の動きです。その度に、「私が傷付いたのは事実だ」と自分に言い聞かせていますが、トラウマの影響は長く続くものだと改めて感じます。他人と比べるものではないと頭では分かっていても、人前で話すとなると、そんな気持ちがよぎることがあります。
さらに、私はもともと話すのがあまり得意ではなく、事前に何度も練習をするのですが、なかなかうまく話せません…。それでも、聞いてくださった方の心に少しでも響く部分があればと願っています。
私が救われたのは、自助グループに出かけて、「ここに私と同じような傷付きを抱えている女性たちがいる」と思えたことでした。同じように、私の話を聞いて下さった方が「もしかして似ているかも」「あれは暴力だったのかな」と何かしら考えるきっかけをご提供できていれば…と願っています。
ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
このような貴重な機会を頂き、池田市の皆様には心より感謝しております。
来年度のこころのケア講座では、今回お話した内容をもっと深めた内容をお伝えする予定です。トラウマケアの具体的な方法、暴力の構造、尊重のコミュニケーションなどにご関心のある方は、ぜひご参加いただけますと有り難いです。
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