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執筆者の写真kumada rie

暴力やトラウマについて学ぶ意味

8月10日は「こころのケア講座」でした。テーマは「DVの本質、暴力の種類」。重たいテーマではありましたが、参加者のみなさまも私自身も、自分に向き合いながら取り組んだと感じています。


私は、学ぶことが癒しやケアにつながると考えています。かつて、日々の暴力や依存症に振り回されていた時、何が起きているのか分からず、ただ嵐の中を生き延びるだけで精一杯でした。しかし、自助グループやカウンセリングを通じて、暴力の仕組みや脳・感情の働き、心理学などを学ぶうちに、自分に何が起きているのかを客観的に見られるようになりました。


知識が増えることで、自分がなぜそのような反応を示すのか、なぜ恐怖を感じるのかといった疑問が明確になります。すると、次に何かが起こったときに「ああ、だからこうなんだ!」と気付く瞬間が訪れます。その気付きが、次の場面で「反応」を「行動」に変える力となります。


トラウマは、無意識に起こる「反応」です。例えば、理由も分からず恐怖を感じたり、ほぼ反射的に何かしらの行動を取ってしまうことがあります。しかし、その「反応」を自分の意思で「行動」に変えることができれば、自己効力感を得ることができます。トラウマに伴う無力感を軽減し、「反応」を「行動」に変えることは、大きな癒しやケアに繋がり、自信を育む助けとなります。


「反応」を「行動」に変えるための最初の一歩は「気付き」です。たとえ何も行動できなくても、気付くだけで物事の見方が大きく変わり、内面的な変化がもたらされます。気付きが重なることで、徐々に余裕が生まれ、自分自身の行動を変える力がついてきます。私は、気付きは闇の中の光のようだと感じます。


もちろん、心身に危険が及ぶ状況では、支援者などの介入が必要です。しかし、暴力のある環境から離れた後でも、心には深い傷が残ります。そのため、中長期的なケアが求められます。こころのケアは、人によって必要な内容やタイミングが異なるため、一律の対応が難しいと感じています。


それでも、「傷付き」とは何か、暴力やトラウマとは何かを学ぶことには非常に大きな意義があります。自分自身と向き合い、自分を助けようとするプロセスそのものがケアになるのです。ただし、この過程には、自分を癒そうという思いや気力、そして適切な環境が必要です。


一般の方が、生きづらさや傷付き、感情の扱い方、トラウマ、暴力の構造について学べる機会は少ないです。だからこそ、これからも地道に伝えていく活動を続けていきたいと思っています。







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